Beyond the memory

音楽と映画と酒場にまつわる話

ホットドッグと濁った海と犬

子供時代の話。

 

何の用事かわからず、

 

父と妹で、岡山にいた。

 

駅前のパン屋でホットドックやらを買った。

 

用事が済んで、海に行った。

 

梅雨時の濁った海だった。

 

「こんな時になんで海?」

 

子供心にそう思った。

 

海の家で、駅前で買ったホットドックを食べかけた、

 

その時だった。

 

野犬に食べかけのホットドックを持っていかれた。

 

今でも、

 

そのホットドックの味を憶えてる。

 

ケチャップが濃厚で、雨のしょっぱい味が混ざった味。

 

そして、

 

濁った波が打ち返す。

 

なんで、ここに来たんや。

 

随分と大人になって、理由が分かった。

 

父の父、すなわち、私には祖父になる人がいたが、

所謂、大阪の船場商人だったが、

何かの理由で、離婚し、私の父を疎開がてら、

 

岡山と広島の山間部にある、

親戚の家に預けたのだ。

 

父は旧制中学まで、そこで過ごすことになる。

 

そこで、お世話になったおばさんの遺産が父にまわってきたそうだ。

 

その遺産の一部の山の遺産放棄の為、

 

岡山の裁判所まで来たのだった。

 

詳しい話はそれぐらいで、

 

毎年、

 

家には、岡山地方から、

 

秋の味覚(栗やら新米やら・・・)が送られてきていたのを思い出す。

 

幼い子供心には、嬉しく食していた思い出がある。

 

それと、

 

いらなくなった本だと思うが、

 

その家のご子息が読んでいた、

 

kotobank.jp

」シリーズの本が、

 

嬉しかった。

 

夢中になって、家の二階にあがる階段で読んだ。

 

その頃の「少年探偵団」とかの影響か、

 

何故か、

 

今だに、探偵物に心惹かれてしまう。

 

何故、

 

そんなことを憶えているのだろう。

 

あの海と、

 

ホッドックと、

 

犬のせいだ。

 

 

 

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Muddy Waters - Mannish Boy (Audio)